ブログ

話題の小説『正欲』朝井リョウ著を読んだ感想【衝撃と余韻がえぐい】

くつろぎながら読書する男性

『正欲』朝井リョウ著は、映画化されるほどの人気作だ。

読み終えてみて、
衝撃を受けすぎて、考えさせられすぎて、でも考えても、正しい答えなんて一生出ない。

人と話すときに、堂々巡りしてうまく話せなくなるほど、衝撃を受けた。

読んだ後の余韻がえぐいので、ぜひ読んでみて欲しい。

個人的には、人によって受け取り方も違うので、映画にするの難しいのでは?
と思っている。

だから、公開されたら、実写化された物語を見てみたい。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

正欲 (新潮文庫) [ 朝井 リョウ ]
価格:935円(税込、送料無料) (2024/3/16時点)


話題になっている小説『正欲』ってどんな小説?

ざっくり、あらすじ【ネタバレあり】

序盤は、重要なポイントを隠しており、なんの話か分からずつまらない。
だが、読み進めるとだんだん状況が分かるようになり、
「多様性」という言葉がキーになってくる。

現代社会は、LGBTを認め合ったり、不登校の子供の個性を尊重することが大切だよね!
多様性を尊重しあおう!っていう風潮がある。
そんな多様性を認め合う中で、まったく理解できない価値観が登場したときに、
あなたはその多様性を認められるか?
と問う小説である。

この小説の中では、その価値観が「“水”に対して、性的興奮を感じる」
4人の登場人物にスポットを当てている。
理解されない価値観を持つ彼らは、男女のつながりを求めずに生きてきたが、
SNSやYouTubeで同じ性癖を持つ人がいることを知り、意を決して知り合う。
自分たちが興奮する水の動画を作ろう!と、
人生で初めて自分の性癖を理解しあえる人たちと集まる。
が、水遊びをしていると、知り合いの子供が遊びに入ってきて、
子供には興奮しないので一緒に遊んだり、写真や映像を何枚も撮ったりしていた。

そして、全員児童ポルノ所持で全員が逮捕される。
性的対象は子供ではなく“水”なので、誤解なのだが、
検察に理解されないと諦める4人は口を開かず、世の中から排除される。

『正欲』は衝撃を受ける小説

心に刺さる部分があり過ぎて、胴体を5.6ヶ所ぐらい刺された気分になる小説

人と話す時に、無意識な発言のせいで相手は傷つかないだろうか?
考え過ぎて、言葉が選べなくて、会話できなくなるんじゃないかと思う。
それぐらい衝撃を受ける小説。

視野を広げてくれるので、読むと成長?までは行かなくても新しい考え方を学べる小説

世の中には、自分の想像していないような考え方を持った人が沢山いることを改めて感じさせられる小説
 例えば、YouTubeのコメント欄で「〇〇して下さい!」のお願いには、マイナーなフェチ(性欲)の人の願望が含まれている可能性もゼロではないということに、今まで気づかなかった。

この小説を読んでみて、どの行動をとれば正解か分からなくなった。

 この小説では、マイナーな考え方(本の中では性癖)を持つ人が、生きづらい生活をしている姿が描かれている。
実際、もしマイナーな価値観を持つ人に出会った場合、声の掛け方が分からなくなった。

 私は、自分の意見を貫きたいし、それを同調するように相手の考えを聞いてしまくことがある。また、相手が違う考えを持っていたら、受け入れたつもりで理解した気になっている。けど自分の考えも相手に伝えるべきだって判断してつい自分の話をしてしまう。

これは、自分の正欲をすごく押し付ける行動をとっている
ということを、気づかされた。

自分はなんだかんだ正しく判断して生きていると思い込んでいるし、社会は「こうあるべきだ!」と、当たり前に思っていた。そして、他人の正欲の基準を考えてなかった。

私たちは社会の声を内面化し、自分の意見として発信している(多数派で居ようとする)。

正しくいたいって思ってる自分に、すごく呆れた

誰かに言い負かされてしまった時(少数派になった時)、自分は可哀想な人間だと思い込んで、苦しんでる可哀想哀れな自分を愛でてるところが、支障を生む気もする。

結局、うだうだ考えてみたけど何が正解か?どう行動していくのが最善か?
まったく、自分なりの結論が出ない。

でも、ここまで考えられる(気づかされる)のと、ないのとでは、自分も他人も生きやすさが全然違うと思う

小説中で刺さったフレーズ集

読み進めると、他人事ではなさ過ぎて、刺さったフレーズを記録している。
文庫本のページ数を記載している。

自分にとって不快なものを排除していくことが世の中の健全さに繋がると信じている人たちは、「時代がアップデートされていく」なんて喜ぶ。(P.334)

思想や情動も論理で説明できると思っている人たちが打ち立てる規制は、生身の人間の内側にはいつまで経っても到達しない。(P.334)

自分たちのような人間にとっての最後の砦は、そうでない大多数の正義によって、いとも簡単に取り払われる。取り払った側は、取り払った瞬間、目的が達成される。取り払ったあとは、次に取り払うべきものを探したり、その日の夕食を何にしようか考えたりする。(P.375)

「なんかおいしいものを見つけたときに二人分買って帰ろうかなとか思えるだけで、なんだろう、あー死なない前提で生きてるなって感じられるし、将来のこと考えて上下左右わかんなくなるくらい不安になる瞬間があっても、その不安を共有できる人がいるって思えるだけでちょっと楽になるし…」(P.373)

楽しみたいものを罪悪感を抱かずに楽しみ続けるための方法を、今のうちに見つけ出しておきたいのだ。(P.379)

まとも側の岸にいたいのならば、多数決で勝ち続けなければならない。そうじゃないと、お前はまともじゃないのかと覗き込まれ、排除されてしまう。みんな気づいているのではないだろうか。自分はまともである、正解であると思える唯一の依り所が、“多数派でいる”ということの矛盾に。

「正欲」朝井リョウ著

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

正欲 (新潮文庫) [ 朝井 リョウ ]
価格:935円(税込、送料無料) (2024/3/16時点)


ABOUT ME
endomame
ブログ歴半年の理系職・独身アラサー女子です!忙しい毎日に押しつぶされず自分らしく生きていくために、自分磨きやグルメ、旅行について発信していきます♪